【其ノ弐】からの続きです。
さあ、参拝を終え石段を下っていきますよー。
登りは息があがって、下りは膝が笑う!2446段の石段詣
2446段という石段は、神社の中で最も多く、二位の金毘羅宮(1368段)とは1000段以上の差があります。
本日は高齢の家族と一緒だったので、バスで山頂まで上り、参拝した後に石段を下ったのですが、せっかく石段詣をするならば、麓の随神門から是非歩いてみてください。その場合、この鳥居が石段の終点となりますよ。
たまーに平坦な場所もありますが、まあほぼほぼ石段です。
「一の坂」「二の坂」「三の坂」という特に急な石段では、息あがりまくり!逆に下りは膝がカクカクしまーす( ̄▽ ̄)杖があると便利ですよ。
斎館でいただく胡麻豆腐が絶品
山頂の鳥居からまず最初に見えてくるのがこちらの【羽黒山斎館】
斎館とは、神職が神事の前に心身を清める場所。ですがこちらの羽黒山斎館は、予約をすれば一般の方でも精進料理を頂いたり宿泊することができます。
静寂の中、心静かに頂く精進料理は格別。特に胡麻豆腐が絶品!あの味が忘れられない( ̄ー ̄)
縁結びのパワースポット・埴山姫神社
【三の坂(さんのさか)】の石段途中で、是非立ち止まって欲しい場所。
御鎮座するのは【埴山姫神社(はにやまひめじんじゃ)】
縁結びの御神徳で有名な羽黒山のパワースポットです。
朱い紐がたくさん結ばれています。この朱い紐は、三神合祭殿または随神門近くのお札所で購入できるお守りに入っています。この紐を結び祈ると、御利益を頂けると言われているんですよ。
埴山姫のハニ(埴)とは「土」のこと。本来は、土の神・陶器の神・田畑土壌の神と言われている女神様です。
出羽三山神社の麓には、実り豊な庄内平野が広がります。人々の暮らしを守り、古より大切にされてきた神様ですね。
石段の高さはバラバラ。下りは特に慎重に!
石段の幅や高さは一定ではありません。下りの方が体力的には楽なんですが、一歩一歩集中して下りないと危険です。慎重にゆっくり下りましょう。
それにしても、人力でこの長い石段を作ったなんて信じられませんね。一体どれくらいの年月をかけて作ったのでしょう?
石段が敷設されたのは江戸時代初め。完成までの歳月なんと13年!!
羽黒山50代別当天宥が、江戸時代初めの1648年から、なんと13年もの歳月をかけ敷設しました。
樹齢350年~500年という立派な杉が石段を囲みます。500本以上もあるというこの杉並木は、国の特別天然記念物となっています。
松尾芭蕉も歩いた羽黒の道
二の坂と三の坂の間にある【芭蕉塚】
俳人松尾芭蕉(1644-1694)もこの地を訪れ、羽黒山・月山・湯殿山の三霊山を踏破し歌を残しています。かの有名な『奥の細道』ですね。
涼しさや ほの三か月の 羽黒山
芭蕉が羽黒山を訪れたのが1689年6月(新暦7月)の事。石段の完成から約28年後ということになりますね。芭蕉45歳の時です。
芭蕉も食べた?二の坂茶屋の力餅
【二の坂(にのさか)】を登り切ったところにある【二の坂茶屋】
名物は、峠の力餅ならぬ石段の力餅!ですが、芭蕉は食べていませんよー( ̄ー ̄)
だって芭蕉が登ったのは夜ですから・・・。信じがたい話ですが、月明りを頼りに登ったという記録があるようです。そもそもその時代に茶屋があったのか?不明です( ̄▽ ̄)
以前はもっとTHE茶屋!の雰囲気でしたが、カフェ風?!に様変わりしていました。木の色がまだ新しいですね。
夢中で食べて写真撮るの忘れた(-_-;) 『かき氷はちみつレモン』の残骸です・・・
遠くに見える庄内平野からの風が気持いい!
二の坂茶屋に別れを告げて、石段再開!
抱擁するのも一苦労?!夫婦杉(めおとすぎ)
夫婦杉を抱擁すると子どもが授かると伝えられているそうですが・・・
幹の太さは一体どれほどでしょう。抱擁するのも大変そうですね。
東北地方で最古・国宝羽黒山五重塔は必見
【一の坂(いちのさか)】の登り口付近に建てられた、東北地方では最古の塔といわれる羽黒山五重塔。
長く反り返る五重の軒が本当に優美です。
高さ29.0m。三間五層の柿葺(こけらぶき)素木造(しらきつくり)。昭和41年に国宝に指定されました。
天然記念物の【爺杉(じじすぎ)】は、五重塔近くに立つ推定樹齢1000年以上の巨木。
昔は婆杉(ばばすぎ?)も隣にあったらしいですが、台風で失われてしまったそうです・・・(涙)
祓川神社での参拝をお忘れなく
緑の中で一際目立つ朱塗の【御神橋(ごしんきょう)】。そして御神橋の下を流れる川が【祓川(はらえがわ)】です。
その昔、参拝者たちはこの川で衣服を脱ぎ、禊(みそぎ)をしてから山頂へ向かったそうですよ。
現在は、川に入って禊をする代わりに、こちらの【祓川神社(はらえがわじんじゃ)】で参拝します。
神社の裏に流れる【須賀の滝(すがのたき)】からは水しぶきが飛び、足元にも滝の水が流れるほど豊かな水量でした。
御神橋から随神門までの間には多くの末社(まっしゃ)が点在します。
継子坂(ままこざか)を経由し随神門へ。
【随神門(ずいしんもん)】
ここから内が出羽三山の御神域です。
今回はゴール地点となりましたが、初めて石段詣をされるなら、ここをスタート地点に是非登ってみてください。大変な苦労がある分、達成感と心身の浄化を味わうことができるはず。
五重塔の御朱印あります!
鳥居からすぐのところに、随神門授与所があります。こちらでは五重塔の御朱印が頂けますよ。
通常版。
冬景色五重塔の御朱印帳。とても良くできてます。(令和2年限定品)
駐車場は【いでは文化記念館】の無料駐車場に停めると便利
自家用車でいらっしゃる場合は【いでは文化記念館】の無料駐車場を利用させてもらうと便利です。
駐車場、トイレ、コインロッカーはもちろん、パンフレットや案内図もたくさん揃っています。スニーカーや長靴の無料貸し出しまでしてくれるんですよ。
出羽三山にちなんだお土産物や書籍なども販売。法螺貝吹き体験などもできる楽しい施設です。
特に、初めて参道を歩かれる方などは、この施設で情報を得てから行かれると良いと思います。ちなみに100円で杖を貸出してくれるので、参道を往復される方はあると良いかも(特に下りで威力を発揮!)。
「西の伊勢参り、東の奥参り」と呼ばれ信仰を集めた出羽三山。是非、生まれ変わりの霊山を体感してみてくださいね。
湯殿山と月山の参拝記もまたいつか!
山頂の様子などを綴った前編と中編はこちらからどうぞ
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